libra05's blog

映画を中心に、好きなものについて自由気ままに書いています

映画 ノウイング--「数字の導くところへ行くしかない!」

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我が家はdtvユーザーです。入会理由はずばり『ウォーキング・デッド*1しかし、最新シーズンをFOXでの放送時に全て視聴し終えてしまったため、dtvは現在、いわば休眠状態でありました。

よく考えたら月額500円を捨てているようなものではないか! よし、せめて元を取ろう、と久しぶりにアプリを起動させ無料の作品を漁ってみたところ・・・こちらの作品に出会いました。

eiga.com(映画.comには映画の公式リンクがありましたが、こちらをクリックすると何故か豊胸手術を売りにしている整形外科に飛んでいきます。ほかの場所にあった公式リンクも同じです。なんだか諸行無常。)


眉間にしわを寄せて口を少しぽかんと開け「おいおいこりゃあ一体・・・」ないつものニコラス・ケイジの表情。
鉛筆でびっしりと書かれた数字の羅列。


タイトルはすっかり忘れ、予告編で見たらしい断片的な映像だけ(というかほぼニコラス・ケイジの顔)が数年前からずっと頭の片隅に残っていたところだったのです!
ははーん、これ、『ノウイング』というタイトルだったのですね(スッキリ)!

  • 原題:Knowing
  • 2009年/アメリカ
  • 122分

こんなときに観たい

  • ストーリーはさておいてニコラス・ケイジを拝みたいとき
  • なんだか不思議な気持ちに包まれたいとき
  • 終始かるーい気持ちでいられるとき(下記「感想」参照)

おすすめポイント

ひねり出すとすれば、ミステリー、ホラー、SF、家族愛のサラダボウルであるところ!

あらすじ

アメリカ・マサチューセッツ州の小学校で、50年前に埋めたタイムカプセルを開封する記念式典が開催された。
少年ケイレブは式典でタイムカプセルに入っていた一通の手紙を受け取ったが、そこにはただ数字がびっしり書かれているだけだった。

ケイレブの父親で宇宙物理化学の教授であるジョンは、その数字が示す驚愕の事実を知り、手紙を書いた生徒の謎に迫る。
しかし、すでにケイレブには怪しい男たちの影が忍び寄っていた…。


感想:総論(以下ネタバレあります)


※青字の部分は下記で詳細を述べています。
ストーリー ・・・ 4点/10点
いわゆるディザスタームービーでありながらも、ただの数字の羅列が重大な意味を持っている、というベースはとっても好みです!
ただただ、結末が…。

演出 ・・・ 3点/10点
だって洞窟なんだもん。
そして、大惨事で人々が死んでいくシーンではこんなに残酷なんだぜ!と力んでいる感じがしてしまって、ちょっと食傷気味でした。

音楽 ・・・ 5点/10点
クラシックだったり、ホラーな効果音が主だったりします。可もなく不可もなく、という感じでした。
世界の終末の描写にクラシックをあてるシーンは既視感がびしびしあったのですが…作品が思い出せません。なんだろう。

キャラクター ・・・ 5点/10点
一人でわちゃわちゃする主人公と息子。そして、彼らと行動を共にすることになる、とにかく不幸な母子。
明るい賑やか担当は不在です(強いて言えば、絶対にジョンの言うことを信じない大学教授か)。

トラウマになるような怖い体験をした夜に散らかった部屋でお酒を飲み、少し乱れた髪型でため息をつく主人公。その一方で、トラウマになるような怖い体験をした翌日に何事もなかったかのように平然とゲームに耽るケイレブ。そう、ケイレブの幼兵感が半端ないのです。たしかにジョンよりも人類の未来を任せられる気はします。

キャスティング ・・・ 7点/10点
全員が、幸薄そう!暗い過去背負ってそう!と言えるキャスティングは物語に絶妙に合っています。演技も素晴らしいです。日本版があるとすれば、木村多江が演じそう。だからこそ、ストーリーが本当に悔やまれる。

また、主人公の単独シーンが多いため、ニコラス・ケイジ漬けになれます。

感想:各論

ただただ、結末が…

ジョンは愛するケイレブを唯一の人類の希望としてが地球から避難させ、自分は地球に残ります(というか、「選ばれし者」じゃないからと避難させてもらえませんでした。文字にすると本当に切ない)。
家族愛こそ取り戻せたものの、結局、世界の終末を回避することはできません。バッドエンドでした。

ただ、ここにきてUFOエンドって…!

ずるい。
なぜ50年前にあの生徒が世界中の大惨事を予言できたのか、選ばれし者とそうじゃない者はどう区別されるのか、ちょろちょろ謎の男(異星人)がケイレブの元に現れてはすぐいなくなるのはなんだったのか、

こういった、ストーリーの基礎となる部分、回収されると期待していた伏線が謎のままで、全部「人智の及ばない異星人の思惑」の一言で片づけてられてしまった気がするからです。

聖書がストーリーのモチーフになっている(らしい)なら、そこからなんとでも派生させて、伏線をちゃんと回収してほしかったのです…。

UFOが子どもを乗せて地球を離れたあと、ジョンはすべて無気力になってしまったせいか何故かその現場で横たわり( ˘ω˘)スヤァと眠っている(気を失っている)のですが、こっちが無気力ですよ!と言いたくなりました。

だって洞窟なんだもん

この作品、とにかく最後まで画面が暗いのです。

誰もいないはずの暗闇に何かの気配を感じる..そこにいるのは誰?..
息づかいだけが響いてくるようなそんなドキドキのシーン。
緊張が最高潮に達し、ジャジャーン!という恐怖の効果音とともにケイレブが驚愕の表情を浮かべるとそこには..!

真っ暗なだけ。

暗すぎて見えない..。これには、「た、たぶん謎の男がいるんだよね。そこにいるんだね!?」と少し切なくなってしまいました。それまではドキドキしてたのになぁ。なんだか間の抜けた雰囲気に一気に冷めてしまい、ここぞというところで物語に入り込めないのが残念。

ささやき声と暗闇、これらの相乗効果で薄気味悪さを演出したのかもしれませんが、せめて存在が認識できる程度には明るくしてほしかった。
パソコンやらスマホの明るさを「MAXにしてるよね?!」と何度確認したことか。

とくに、自宅は暗すぎやしないか。
帰宅した描写がなければ最初はどこにいるかわかりませんでした。部屋に打ちっぱなしの壁があるせいか、遠目で観ると洞窟とか廃墟のよう・・・。
ただその一方で、強い違和感はないのです。だってニコラス・ケイジなら、そんなところにいて酒瓶片手にため息ついてそうだし。

こんなに残酷なんだぜ!と力んでいる感じ

結末までの間に、ジョンは飛行機の事故、列車の事故の現場に行き、巻き込まれます。
このときに、火だるまになったり爆発に巻き込まれて苦しみながら死んでしまう人、列車に跳ね飛ばされる人が、CGを使ってかなり長ーーい時間描かれています。
何の罪もない市民が泣き叫びながら死んでいく姿の連続。これらのシーン、そんなに必要でしょうか。
かえって「制作陣は相当前のめりに残酷に見せようとしてきてるな」とまた物語の世界からふっと抜けてしまう自分がいたのでした。もう少しさらっとした描写でよかったなぁ。


一人でわちゃわちゃする主人公

主人公は物語の早い段階で数字の謎を解いたにもかかわらず、大災害の予言がされた場所に駆けつけるも、それを未然に防ぐこともできません。悲しいくらい、ただわちゃわちゃします。これがなんとももどかしい。

数字が当てていたのは過去の幾多の大災害ということからも、手紙にはそれなりに「予言」の信憑性もあるといえそうだし、主人公はちゃんとした大学の教授だし、警察に真正面から相談に行ってもいい状況だと思うのですが、ケイジはそんなことはしません。
どうしてなんだろう。

本当によくわからなかったのですが、公衆電話から匿名で「あそこでひどいことが起こる。とにかく封鎖しろ」と通報だけしてガチャ切りする始末。やめなよー。
いやそんな通報受けただけで誰が封鎖するんだ..と、またちょっと物語に入り込めず、その距離感を感じてしまうわけです。

そして、数字が、過去50年に起きた大惨事の日付・位置・人数を示していると何度説明しても「偶然だよ」の一点張りの同僚。その同僚以外には誰にも伝えないケイジ。ものわかりのよさそうな妹のグレースに言ったらどうなんだ!? なんだか「無理に」ひとりで抱え込んでいる感じがしてしまいます..。

結局事故は防げず、現場で惨劇を目の当たりにして絶望し、ケイレブに近づく謎の男を追いかけても、口から放たれた光で目がやられて追跡は失敗。
そんな仕打ちを受けたのに、最後に、ケイレブから、「異星人はともだちだよ!助けてくれるって」と言われると、信じられないくらいスッと信じてしまう。懐疑的なんだかピュアなんだかよくわかりません


なんて頼りない主人公なの…とやるせないこのモヤモヤをなでるように見つめ直したとき、こんなことをひらめいたのです。


いや、むしろこれが現実の人の姿なのではないか


たしかに、自分が同じ状況になったなら、パニックに陥った挙げ句にわちゃわちゃして、究極の状況で言われた言葉をなぜか信じ、その間にあっけなく世界が滅びる気がします

そうか。それならばいっそ、ジョンにヒーローであることを期待せずにドキュメンタリーを見るくらいのおおらかな気持ちでこの作品を鑑賞すればよいのではないか。

そう考えれば、現実的といえるかもしれない行動をとる彼に、モヤモヤするなんてナンセンスであると思えませんか?
ということで、鑑賞後に「自分が主人公ならこうするかな」なんてことを誰かと楽しくおしゃべりするネタとして、かるーい気持ちでの鑑賞をおすすめします。

ニコラス・ケイジ漬け

ニコラス・ケイジは、妻に先立たれた哀しみを抱える主人公を演じるのにぴったりでした。そして、やはり何をしてても「問題や苦しみをひとりで抱えちゃってる感じ」がにじみ出ちゃいますね。

さて、本作ではこれでもかというほど、いろんな状況のケイジを堪能することができます。

お酒の瓶を片手に持ちソファーでうなだれるケイジ。
もう寝なさい、としつけは厳しめなケイジ。
寂しげな髪をなびかせ、森のなかを駆け抜けるケイジ。
宇宙人に口から光を放たれ、目をやられるケイジ。
憂いを帯びた目、こちらが緊張する髪の毛、くっきりの眉毛、半開きの口、肌の白さ。

そう、どの映画でも変わらない、いつものケイジがここにいます。そのことになんだか安心できます。



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*1:いつかこのブログでも取り上げる予定です!そして『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』観たさに、amazonプライムに入会するか悩んでおります。